5月20日(土)に福岡のふくふくプラザホールで、重松壮一郎さんと一緒に演奏する、バリアフリーコンサート「やさしいあいのうた」コンサートが間近にせまっています。
こどもとおとなのための「やさしいあいのうた」
うたとピアノのバリアフリーコンサート
2017年 5月20日 (土) 13:30開場 14:00開演
一般前売:2000円 当日:2500円
障がい者・高校生以下:無料
ふくふくプラザ(福岡市中央区荒戸3−3−39 092−731−2929)
公共交通機関をつかった場合のアクセスはこちら
直前ではありますが、このコンサートへの思いを書いてみたいと思います。
ライフワークとしてのバリアフリーコンサート
何回かつづけてきた、ふくふくプラザホールでの、バリアフリーコンサートは、私のライフワークにしたいと思っているコンサートです。
今回のコンサート以前にも、障がい者と一緒に楽しめるコンサートを、何度かふくふくプラザホールで開催してきました。
コンサートが終わったあとの、お母さんたちの、笑顔や涙を見ると、やってよかったなあと思うし、またやってくださいと言ってもらえると、それに答えたくなります。
望まれて、バリアフリーコンサートが、ずっと続けていけたら、それは、私にとって、とても幸せなことです。
障がいを持つ大人の方や子どもたちに関わってきて、もう30年以上になります。
その始まりは、最初に受け持ったピアノの生徒さんが、自閉症のお子さんだったことからです。
はじめての生徒さんで、私はとても戸惑いましたが、その生徒さんは、私の小さいときとそっくりでした。
その子が感じていることや、思っていることが、自分のことのようによくわかるのです。
そのため、私たちは、いつの間にか心が通じるようになって、音楽をとおして、楽しい時間を一緒に過ごすことができるようになりました。
まちがいなく自閉症だった私と、彼女との出会いは、とても特別で、そして準備されていたものだと感じました。
あのころ、私は、レッスンをすることで、小さかかったころの自分自身のことを受け入れ、癒していたのだと思います。
とても、ありがたく、貴重な体験でした。
バリアフリーコンサートが生まれるまで
はじめてのピアノの生徒さんが、障がいをもっていたという、その体験から始まった、障がいを持つ方と私との関係。
その関係が今までつづいていて、私の中でのいろんな意識や、大切にしてきたものがぴったりと合わさって、バリアフリーコンサートの実現となったのだと思います。
私は、歌うことに、いろんな苦しみを感じてた時期があります。
1年間ほど、声を失って、歌うことができないこともありました。
そして、そんな私を、癒して救ってくれたのは、授産施設でのクリスマスコンサートです。
私の歌を、待っている静けさは、今まで経験したことがないものでした。
歌い始めたときの、すべてを受け入れてくれる感じは、とても暖かく、凌ぎの世界のステージでは、体験できないほどあたたかいものでした。
サビの部分では、手を叩いたり、声をだしたり、涙をながしたりして感動してくれる人たちがいました。
私のことを、暖かく向かえてくれて、喜んでくれる人たちの中で歌うことで、私は、自分と自分の音楽ともう一度向き合うことができました。
そのことは、私の人生の中で、とても大きなことで、あの授産施設でのクリスマスコンサートの体験がなかったら、今の私はいなかっただろうと思います。
その時からずっと、障がいを持っている方のために歌うことは、今の私の歌の始まりを確認し、感謝する時間になっています。
そしてそれは、私の人生の中でも、とても大きな喜びだと、その時からずっと感じ、思っています。
ふくふくプラザでの、いくつものバリアフリーコンサートの実現までには、田中美佳さんとの出会いがありました。
田中さん自身、ご自分のお子さんが、障がいを持っておられ、障がい児と親御さんのための会をつくって活動してこられた方です。
私にどんなに気持ちがあっても、田中さんが、コンサートをやりましょうと言ってくださらなかったら、バリアフリーコンサートは、こんなに早く実現してなかったと思います。
田中美佳さんとの、必然とも思える出会いに、心から感謝しています。
おかあさんの癒し
バリアフリーコンサートで一番やりたかったとことは、お母さんの癒しです。
障がいをもっている当事者もですが、そのお母さんの癒しが、とても大事だと、ずっと思っていました。
日々の、心配や苦労や疲れが癒やされるひとときになるような、そんなコンサートができたら、どんなにいいだろうと考えていました。
私が関わってきたお母さんたちは、子供と一緒に行く場所がないと言っていました。
パニックになって泣き出したり、大きな声をだしたり、走り回ったりするので、公共の場に行くのは大変で、コンサートにもなかなか行けないのですと話していました。
そして、本当は、子どもが声をあげたり、走り回ったりしても、受け入れてくれて、生の音楽がきけるコンサートがあればいきたいのですと言っていました。
そのお話を聞いてから、会場が、多少ワサワサしても、声が聞こえても、みんながそのことを受け入れて、一緒に聴けるコンサートができたらと、ずっと思っていました。
また、お母さん自身のことを考えると、子供と一緒に聴けるコンサートも、もちろんいいけれど、1年に1回か2回は、子どもをお父さんや家族、ヘルパーさんにあずけて、お母さんひとりで聴きに来て、ほっとする時間を過ごしていただくことも、大切なことだなあと思いました。
お母さんが癒やされて、元気で笑顔になったら、子どもは幸せですよね。
子供と一緒にコンサートに来るのも良し、お母さんがひとりで、または、ご主人やお友だちと一緒に来るのも良し、バリアフリーコンサートが、おかあさんの癒しのコンサートになれば、なにより嬉しいことだと思っています。
障がいについて
私自身が、まちがいなく自閉症だった(その傾向は今でも、まだありますが)日々の経験と、音楽だけが分かり合える友人だと感じていたこと、そして、音楽を通して、いろんな障がいを持った方と過ごしてきた体験は、私の中では、とても大切なものになっています。
障がいという言葉は、とても違和感があり、使いたくない言葉ではありますが、何らかの障がいをもって生きている自分の人生を考てみると、その障がいがあってこそ、あったからこそ、私自身だと感じます。
そのことを、障がいは無いという立場で、いろんなことを考えたり言われたり、また障がいは治るということを安易にいわれてしまうと、障がいという言葉以上に違和感があります。
確かに社会を生きて行くには、いろんな大変なことがあるでしょう。
それでも、障がいを自ら選び取って生まれ、または、人生の中で選択し、生きていることは、その人なりの事実や真実にほかならないのです。
今の日本の社会では、障がいを持つ方を、施設や授産所に分けてしまう傾向があって、小さなころから、みんな一緒に生きていくことができなくなっています。
そのため、みんなが、出会ったり、一緒に過ごしたりすることがないまま、障がいのことがわからないまま、生活していくのです。
こんな不自然なことはないと感じます。
バリアフリーコンサートが、みんなと出会ったり、感じあったりする機会になれば、嬉しいです。
重松壮一郎さんのこと
重松壮一郎さんとの出会いは、北九州で、彼のコンサートがあった時に、聴きに行ったのがはじめてでした。
空間が鳴る、そしてあふれる音の泉に癒やされる体験は、はじめてで、とても感動しました。
その頃の私は、CDをつくりたいと思っていて、その中の何曲かを、彼のピアノに参加してもらえたらと思いました。
そして、CDを作る前に、何回か一緒にコンサートやりましょうというのが、ジョイントコンサートのはじまりでした。
重松壮一郎さんの、オリジナルの曲を歌ったり、ピアノと歌の即興演奏をしたり、何度も楽しいコンサートを一緒にやらせていただきました。
いつか、一緒に曲をつくって、コンサートで歌うのが、今の私の夢です。
今回の、重松壮一郎さんとのジョイント、5月20日のバリアフリーコンサート「やさしいあいのうた」は、客席から、大きな声が聞こえても、走りまわる子どもがいても、それさえも、音楽の一部に感じていただけるようなコンサートにできたらと思っています。
生の音、音楽を聴く体験は、子どもたちには、なかなか少ない体験でしょう。
今回のバリアフリーコンサートを、そんな体験のひとつにしていただけたらとも、心から思います。
プログラムは、重松壮一郎さんの即興ピアノ演奏と、重松さんの作曲した歌の曲を中心に、魂にそっとよりそうようなプログラムになっています。
重松壮一郎さんのピアノを聴いたことがない方には、是非、聴いていただきたいのです。
(youtubeに重松壮一郎さんのチャンネルもあります。)
素晴らしいピアノです。
豊かなピアノの響きで、私たちをそのまま包んで、癒してくれます。
演奏を聴きながら、ポロポロと涙をこぼし(号泣しても大丈夫です)胸のつかえを解き放し、また明日を頑張ろうと思っていただけるようなコンサーにできたらと思います。
いつも、直前に熱くかたってしまい、もっとはやく、語っていたらよかったと思います。
コンサートは、あと3日後になりました。心より、みなさんのお越しをお待ちしています!
コンサートは、前売り予約がお得だと思いますので、
どうぞこちらから↓ご予約くださm(_ _)m
[ninja_form id=4]