心に灯す光り アンドレア・ボチェッリ Music For Hope

これは、昨年の春のお話…

このお話を、もう一度

クリスマスの日に

みなさんに届けたいと思いました。

内なる光を灯す歌

世界は混乱していますが

今はひとつの時代が終わる時

そして

新時代のスタート地点に

私たちは居ます

 

私たちに今 大切なことは

「内なる光りを自分に灯す」こと

 

アンドレア・ボチェッリが

復活祭の日に

ミラノ・ドゥオーモ大聖堂で

ソロコンサート

<Music For Hope>

を行いました

 

観客は誰も居ない…

居るのはボチェッリと

大聖堂専属のオルガニスト

エマヌエーレ・ヴィアネッリ

たった二人でのコンサート

 

そのコンサートは

私たちの心に光を灯し

世界中の人たちが

祈りとともに繋がった

素晴らしいコンサートでした

 

時代と人々の意識は繰り返す

ボチェッリのコンサートを聴きながら

もう随分前に受けた音楽と建築の講義を

思い出しました…

 

天にあるものは地にもある

地上の芸術は天の写し絵だと

信じていたロマネスク

 

目に見えて 耳に聞こえるものしか

信じなくなった ゴシック

 

そして その二つの世界を

融合したルネッサンス

 

西洋のロマネスク・ゴシック・ルネッサンス

という時代の流れは

その後の歴史の中で

何度もくりかえされてきたように私は思います

私たちの内的な変化とともに

 

そして今

私たちはゴシック時代の終わりにいると感じます

新しいルネッサンスが

はじまろうとしている時代

 

共感と反感から生まれる「愛」

ルネッサンスの建築は

共感と反感が愛重なるもの

 

ロマネスクは純粋な共感

自分というものを消し去って

まわりのもの全てをとりこむもの

 

ゴシックは完全な反感

忘れることができずに覚醒し続ける

距離をおきつづけるもの

 

そして ルネッサンスは

ロマネスクとゴシックの両方を含むものでした

愛とは 反感と共感の繰り返し

 

 

物質時代の崩壊

ゴシックの建築の象徴でもあった

フランスのノートルダム寺院が

焼け落ちました

 

それはまるで

物質社会の崩壊を

告知するかのようでした

 

ゴシック建築の屋根の上の

天を突きさすような鉄の矢は

物質社会に生きる人々の

天に向かう 精神世界を目指す

意識の現れだったとも言われています

 

今その物質社会の時代がおわって

物質世界の中にいても

精神世界を生きていく

新しい時代が始まろうとしていると

私は感じます

 

 

 

内なる空間の表現としての芸術

ルネッサンスは

自分の内的空間を認めた時でもありました

建物の内部空間にも

同じようなことが生まれたようです

 

ルネッサンスの初期の芸術家は

精神世界の仲介者でもありました

 

そして 時が経つにつれ

精神的なものを自分の内に集め

自分の力で表現していきました

 

 

内なる光りを自分にともす

夜から朝

そして冬から夏への動きが

ルネッサンスのなかにはあります

光を感じる動きです

 

ルネッサンスの光になるということは

人間の自我を目覚めさせるのと

同じことのように思います

 

ルネッサンスは

自分自身の自我を自覚するようになった

時代でもあります

 

このころの芸術家は

内的な光を自分自身で

ともさなければならないと

思っていました

 

自分自身の光です

そのことが

全ての芸術に現れています

 

今私たちにできること

 

混乱した世界

闇が広がる世界

そんな世界の中でも

私たちにできることが

あるとしたら

 

それは

一人ひとりが

光りになること

 

情報に振り回されず

自分自身でいること

そして輝くこと

 

闇の中のひとつの光になること…

その光りが世界中に広がって

この世に光りを灯すことができるのです

 

ゴシック建築の大聖堂の前で歌った

アンドレア・ボチェッリの

素晴らしい歌のように…

 

 Music For Hope – Live From Duomo di Milano

 

 

演奏曲目

1. 天使のパン(フランク)

天使のパンは

人々のパンとなったのです

その天のパンは

予兆をすべて終わらせました

おお、驚くべきこと!

主を食べるのが

貧しき 貧しき

慎ましきしもべたちであるのは

 

2. アヴェ・マリア(J.S.バッハ/グノー)

おめでとうマリア 恩寵に満ちた方

主はあなたとともにおられる

女性のうちで祝福された方

そしてあなたのお腹の子

イエスも祝福されている

聖なるマリア 神の御母

罪人なる我らのために祈りたまえ

今も 我らの死の時も アーメン

 

3. 聖なるマリアよ(マスカーニ/メルクリオ編)

アヴェ・マリア 聖なる母よ

ひどい苦しみの道のなかを

あなたに祈って哀れな男が歩むのを支えてください

その男の心に信仰と希望を呼び覚ましてください

慈悲深き方よ 辛酸をなめた方よ

ああ 私が苦しむのを見てください

無限の嘆きで私が残酷にもがくのを

どうか見捨てないでください

アヴェ・マリア 私を悲しみの中に

置き去りにしないでください

母なる方よ お願いです

母なる方よ お願いです

私を悲しみの中に置き去りにしないでください

 

4. 主なる神~《小ミサ・ソレムニス》より(ロッシーニ)

神なる主

天の王

全能の父なる主よ

主なる御ひとり子

イエス・キリストよ

神なる主

神の子羊

父の御子よ

 

5. アメイジング・グレイス(伝承曲)

驚くべき恵み(なんと甘美な響きよ)

私のように悲惨な者を救って下さった

かつては迷ったが 今は見つけられ

かつては盲目であったが 今は見える

 

 

神の恵みが私の心に恐れることを教えた

そしてこれらの恵みが恐れから私を解放した

どれほどすばらしい恵みが現れただろうか

私が最初に信じた時に

 

 

多くの危険 苦しみと誘惑を乗り越え

私はすでにたどり着いた

この恵みがここまで私を無事に導いた

だから 恵みが私を家に導くだろう

 

 

そこに着いて一万年経った時

太陽のように輝きながら

日の限り神への讃美を歌う

初めて歌った時と同じように