全身麻痺の恩師の介護の思い出

家族が脳溢血や脳梗塞、事故などで、

全身麻痺になられた方は

大変つらい思いをされていると思います。

 

話しかけても反応がなくても、

何も話せなくても

何かできることはないかと、

自分のできることを一生懸命 探したでしょう。

 

少しでも、心安らいだり、

一緒に楽しんでもらえることはないかと

いつもいつも考えたことでしょう。

 

全身麻痺の恩師のために私がやったこと

私も家族のようにお付きあいさせていただいていた

恩師が、

突然、脳溢血で全身麻痺になりました。

 

恩師はご家族が遠くに住んでいるため

なかなか会いに来ることができませんでした。

それで私は、ご家族のかわりに、

2週間に一度、恩師のところへ行くことにしました。

 

全身麻痺でも、何かやれることはあるはず

そう思って、思いつくものを、次から次にやってみました。

 

身体にふれること、手浴や足浴、オイルマッサージ、

話をすること、歌を歌うこと、お話を読むことなど。

 

そして、いろんなことをやるたびに

感じていたことは

声もお話もきこえてるし、すべてがわかっているということです。

ただ、身体が動かなくなっているいから反応できないだけ。

もちろん、変わってしまった姿に涙することもあった。

 

でも、身体が動かないだけで、

反応できないだけでずべては以前と同じように

わかっているんだと感じたときから

安心したし、静かな喜びが満ちてきました。

 

一緒に過ごす時間が喜びになったのです。

 家族が全身麻痺になってしまったかた、

どうぞ、悲しみすぎず、

何かしら、できることをやってみてくださいね。

 

 

全身麻痺の身体も優しくなぜると柔らかくなる

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私がやってみたことをひとつずつお話しますね。

 

全身麻痺になると、

看護師さんに身体の向きを変えてもらわない限り

自分で身体を動かすことができないので冷たくなりがち。

 

そして、身体が固くなっていくように感じました。

 

病院につくと私は、まずはじめに、

全身をやさしく撫ぜていきました。

服の上から、やさしくやさしく全身を撫ぜていくのです。

 

 話をしながら、全身を撫ぜるのですが

終わるころには

身体がふわふわに 柔らかくなるのがわかりました。

 

 

ベットの上での手浴

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まず、手や足を拭いていたのを

実際にお湯に手や足をつけて

洗ったりマッサージすることに変えてみました。

 

ビニールで出来た、

膨らませたら洗面器のようになるもの、

お湯をいれても大丈夫なフットバスができる容器をかいました。

 

それに、お湯を入れて、

まず手をつけて手を洗いないから 手のマッサージ。

手をずっと握っていると

握った中が湿っていてあかも出たりして

臭くなるんですよね。

 

これをやると、お湯の中で少し手もひらいたりして、

手が柔らかくなるし、

拭くだけよりも ずっと気持ちいいのです。

片手ずつやりました。

 

ビニールの洗面器の下には

お湯がこぼれたりしてもいいようにビニールを敷いて、

その上にバスタオル そしてビニール洗面器を置きました。

 

手浴と足浴のときにつかったビニールの洗面器はこちら フットバス ビニール  

 

ベットの上での足浴

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足浴は手浴より 少しむずかしいです。

膝の下に枕などをいれて

すこし膝をまげて

ビニールの洗面器の中に足を入れます。

片足ずつ、ゆっくりやってくださいね。

 

足浴もしばらく足をつけていて

それから足を洗います。

手浴もそうですが、石鹸などは使いませんでした。

 

足の指の間も丁寧に洗っていきます。

この足浴をやると

身体が緩んでいくのがわかりました。

とても気持ちよさそうでした。

 

手浴は、

手をお湯からあげたら

すぐに冷たくなるので、タオルを巻きました。

足浴の場合は

おわったらすぐに靴下を履かせて布団をかけます。

 

手浴と足浴のあとには

オイルをぬってマッサージしてあげるといいですよ。

私は、ヴェレダのカレンデュラオイルをぬっていました。

 

マッサージにつかったオイルはこちらです ヴェレダカレンデュラオイル

 

耳元で話す 歌う

身体のケアが終わったら

次はお楽しみのお話したり

歌を歌う時間でした。

 

私が来ない間の

2週間にどんなことがあったのか、

お話するのですが

この時間は、とても好きだったようで

息を ヒューと何度も吸い込みながら

興奮して聴いました。

 

そして、次は耳元で

童謡を歌う時間。

この時は、目を閉じて聴いていました。

 

個室じゃなかったので、

耳元でこっそり歌うのですが

隣のベットのおじいちゃんも

耳をダンボにして聴いているのがわかって

看護師さんと一緒に何度も笑いました。

 

人は意識がなくて

昏睡状態のときも声は聞こえているのだとか。

意識が戻った時に

そう話すひとは多いらしいです。

 

私はちょっとした時の

目の輝きや息遣いから

すべてが聞こえているのだと確信しました。

 

だから身体がうごかなくても

声をだせなくても

ともに過ごす時間は

お互いに喜びの時間だと感じられました。

 

 

絵本を読む お話を一緒に聴く

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歌のあとは、お話。

絵本をいっしょに見ながら

ゆっくりと読みました。

 

最後は、お話CDをかけて

イヤフォンをひとつずつわけあって聴くのです。

 

宮沢賢治のお話を聴いていました。

声優さんが話すお話なので

すぐに そのお話の世界へ引き込まれました。

 

私は、恩師の手を握り一緒にお話を聴きました。

そして私のイアフォンを

恩師の空いている耳につけて

またね!といって帰るのです。

 

そのころはCDでしたが

今では

聴く本というのがあるそうですね。

そのことを知って

私は恩師とすごした時間を思い出しました。

  そして 速攻契約してしまいました笑

 

あのころは

宮沢賢治のお話だけだったけど

今だったら

いろんなお話を選べていいよね!

 

恩師はもう、

天国の人となりましたが

私は、とても幸せな時間を

一緒に過せたことを心から感謝しています。

 

このお話が

今介護を頑張ってる方

介護でいろんなことを感じたり

何かできないかなあと

考えている方に

少しでも お役に立てたらと思います。